2018年6月17日 朝礼拝 『主の真っ直ぐな道』大賀幸一牧師

アモス7章10-15節、使徒13章1-12節

1)預言者アモス 
 預言者アモスをご存知でしょうか。アモスは、南ユダ王国、テコアという村の出身。羊や山羊を飼い、イチジク桑を栽培している農民です。イチジク桑は、ザアカイがイエス様一行を見物しようと登ったあの木のことです。アモスは、ユダの荒れ野に生活する貧しい農民でした。神様はアモスを呼び出し、イスラエル王国へ遣わされました。アモス自身も、自分は預言者ではなく農民だと言っています様に、たぶん文字の読み書きも不自由したでしょうし、他の預言者のように神様の御言葉に関して特別な教育や訓練を受けていない人物でした。そのアモスが何故神様によって遣わされたのでしょうか。北イスラエル王国は、信仰深くない歴代の王様によってゆがめられて来ました。それでも預言者サムエルに由来するとも言われる預言者共同体が各地に存在すると言われています。王様によって様々な偽りの神々が祭られ、それに従うようにと強要されることも少なくなかった中で、預言者共同体はイスラエルの神を信じる礼拝や教育が継続されていたと言われています。ならば神様が遣わされるべき適切な人材が北王国にもいたはずなのに何故南王国から農民アモスを神様は連れ出したのでしょう。私達は神様のなされる御業を全て知っている訳ではありません。神様の御業が私たちの眼から隠されていて、私たちには見えないようになっていることが沢山あるのです。しかしいつか神様がそれらを教えてくださる時が来るでしょう。神様の御業は隠されていて、奇妙で、不可解なことが多いですが、神様がなされることは全て私たちを愛してなされることであり、私たちの救いの為であると、確信しています。そして神様の選びは実に自由になされます。神様は道端の石ころのように見なされている存在を選ばれ、神様の栄光を負う者として立てられるのです。農夫アモスが遣わされた北王国は、ヤロブアム2世の時代。実に安定した、平和な、バブルの時代だったようです。しかしアモスが召命を受けた2年後には大きな地震が起こりました。それでも平和な安定した時代を人々は過ごしていました。ところが神様は農夫アモスを通して、社会のいたるところに不正があり、正義は失われ、人々は大切なことを失っている、と訴えたのです。

2)神様の真っ直ぐな道 
 使徒言行録を読みましょう。アンティオケ教会が世界に福音を宣べ伝えたのは、人間から生まれた考えではありません。神様が聖霊を通してアンティオケ教会の兄弟姉妹に働きかけたからです。バルナバとサウロが選ばれ、送り出されます。バルナバたちは、キプロス島に渡り、イエス様の福音を伝えました。福音が伝えられる道筋があります。福音はまずユダヤ人たちに、ユダヤ教の会堂に伝えられました。神様の御言葉が通るべき道というものがあるのです。ユダヤ人たちから様々な人々へと福音は広がって行きました。神様の通される真っ直ぐな道があります。しかしそれは私たちの眼には隠された道です。ただ神様の御心が実行されるまで、私たちには何も見えないでしょう。神様は、私たちに公正と正義を求めています。それを人間は妨げることは出来ません。わたしたちも、神様によって隠されていても、必要な道を歩んでいます。私たちの人生に必要な道を神様は私たちに与えておられるのです。この道が実現された時、隠されていた事柄は明らかになるのです。